
私塾 外科丸学校
Private School Gekamaru Gakko

誤嚥性肺炎
誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎になる3つの原因
1. 口の中の細菌が、食事以外の時(睡眠中など)に唾液と一緒に本人や周囲が気付かないで誤嚥する。(不顕性誤嚥)
2.食後や夜間睡眠中に胃や食道からの逆流物を誤嚥する。(胃物逆流誤嚥)
3.食事中に飲食物を誤嚥する。(顕性誤嚥)
誤嚥性肺炎の予防方法
1.不顕性誤嚥の予防
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口の中を清潔に保ち、歯磨きの徹底
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舌のクリーニング
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うがい
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義歯の手入れ、
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虫歯や歯周病の治療をして口の中の細菌を繁殖させないこと
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側臥位での就寝
2.胃物逆流誤嚥の予防
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食後2時間ほど椅子に座って身体を起こす。
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できなければ、ベッドまたはリクライニング車椅子をリクライニング15~20度にして、頭部を少し前屈。
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就寝時に頭位を高く保つ。
3.顕性誤嚥の予防
3-1 嚥下反射の改善
嚥下しやすくするために、食事前に舌を動かす体操、首を動かす体操を行う。歌を歌ったり発声訓練をして、嚥下に使う筋肉を鍛える。
3-2 食事内容の配慮
・咀嚼に問題がある場合
食材をきざむ、軟らかく煮る、押しつぶすなどしておく。
・噛んだ物を飲み込みやすい塊にできない場合
きざんだ物はむせ易くなるため、一口大に切る、軟らかくする、とろみをつける
・飲み込むときに問題がある場合
固形物でむせる場合は、軟らかくしたり、とろみをつける。
水でむせる場合は、お茶やスープにもとろみをつける。
3ー3 食事姿勢の配慮
椅子に座った状態では、食事の際は前かがみの姿勢をとる。(頚部前屈)
ベッド上では、枕を高くしてあごを引くなど。
誤嚥性肺炎の治療方法例
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各種培養(喀痰培養・血液培養)を提出のうえ、抗菌薬治療を開始するとともに、取り除けるリスクを取り除く(口腔内ケア、臥位で食事しないなど)。
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抗菌薬は、経口摂取できればクリンダマイシン(CLDM)(ダラシン)またはクラブラン/アモキシシリン(CVA/AMPC)(オーグメンチン)+AMPC(サワシリン)などを用いる。
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点滴で治療を開始する場合には、SBT/ABPC(ユナシン)またはCLDM(ダラシン)を用いる。
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院内での発症の場合、または最近の抗菌薬投与歴があり緑膿菌などのグラム陰性桿菌による肺炎が考慮される場合は、タゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)(ゾシン)またはセフェピム(CFPM)(マキシピーム)+メトロニダゾール(フラジール)、あるいはCFPM+CLDMなどで治療を開始する( )(各施設のアンチバイオグラムを参考に選択)。
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治療期間は7日間とする。
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治療後、インフルエンザ・ワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種する。
高熱でもない限り、食べるための姿勢である
座位(足裏がしっかりと床について前かがみになれれる事状態)にすること
参考
https://clinicalsup.jp/contentlist/187.html